セラミドとは
「動物の脳の白質や表皮の角質層を形成する細胞膜に、多量に存在する脂質の一種。皮膚の保湿、柔軟性を維持する働きがあるとされ、化粧品などに使用される。N-アシルスフィンゴシン。」(デジタル大辞泉より引用)
と書かれています。
セラミドとは細胞間に存在する脂質で、肌の水分や油分の保持をする役割を持つ天然の成分です。
セラミドは肌の水分保持機能に必要な成分ということは分かりましたが、このセラミドが配合してある化粧水や乳液は本当に保湿力が高いのでしょうか?
ここではセラミド配合の化粧水や乳液の保湿力について紹介したいと思います。
セラミドとは何なのか?
まず、肌の構造ですが肌は表面から表皮、真皮、皮下組織に分かれています。
セラミドが存在するのはこの表皮で表皮のうちでも表面にある角質層に存在します。
角質層は角質細胞の集まりからできています。
この角質細胞と角質細胞の間を満たしているのが細胞間脂質です。
細胞間脂質は細胞同士の接着剤の役割を持つもので、細胞と細胞は細胞間脂質によって、繋ぎ止められています。
セラミドは、この細胞間脂質に含まれる成分の1つです。
細胞間脂質は接着剤の役割だけでなくバリア機能といって、菌やウイルス、抗原などの異物が肌内部に侵入するのを防いでいるのと、肌内部の水分が外へ出ないように、水分を保持しています。
つまり、セラミドは肌の水分、油分を保持する機能と、バリア機能を持っている優れた成分なのです。
セラミド配合の化粧品は肌を潤してくれることがわかります。
セラミド配合化粧品に対する疑問
セラミドは肌の水分保持に欠かせない成分ですが、この体内に存在するセラミドは化粧品を使う事によって、効果的に補うことができるのでしょうか?
セラミドは細胞間に存在します。
それを肌の表面から着けることで、それを体内に取り込んで、肌内部でセラミドは活躍できるのか?という疑問が当然わいてくるでしょう。
それでは、どのようなセラミド配合化粧品を選べばいいのかポイントをいくつかご紹介します。
低分子化したセラミドを配合した化粧品を選ぶ
セラミド配合の化粧品にはセラミドの分子を低分子化し、肌に吸収しやすくしたものがあります。
高分子のセラミドに比べて肌からの吸収に優れています。
セラミドの種類の選び方
セラミドは、「天然セラミド」「合成セラミド」「ヒト型セラミド」「植物性セラミド」の4種類があります。
- 天然セラミド・・・馬などの動物の脳や脊髄などから抽出したセラミドで、肌に浸透しやすい特徴があります。
- 合成セラミド・・・化学的に合成したセラミドで、擬似セラミドとも呼ばれます。大量生産可能で値段も安価です。
- ヒト型セラミド・・・酵母を利用して作られたセラミドで、天然のものと似た構造をしています。
- 植物性セラミド・・・コメ、大豆、トウモロコシ、蒟蒻などから生成されるセラミドです。
天然セラミドは人間の細胞間脂質と似ているため保湿力が優れ、肌に浸透しやすい特徴を持っています。
しかし、抽出に費用がかかるため、価格が高くなってくるのがネックです。
その点ヒト型セラミドは、人の肌にあるものとほぼ同じ構造をしているため、保湿力、浸透力が高いにも関わらず、天然セラミドより安価です。
このヒト型セラミドが配合してある化粧品を選びましょう。
また、化粧品の品質表示には使用量が多い順に配合成分が表示してあります。
10番目以内に、セラミドの表示があるものを選ぶといいですね。
セラミド配合の美容液を使う
セラミドは化粧水よりも美容液や乳液、クリームの方が配合しやすいのです。
というのは、セラミドは脂質なので油分の方が溶けやすいからです。
これらをセラミド配合化粧水と一緒に使うと効果的です。
正しい化粧品の使い方
せっかくセラミドが配合してある化粧品を使っても、使い方が間違っていては化粧品がもったいないですよね。
セラミドの効果を実感していただくためにも、意識的に肌のお手入れをしたいものです。
クレンジング・洗顔は丁寧に
肌の老廃物を落とし、後に使う化粧品の吸収力を高めるために、クレンジング・洗顔はとても大切です。
しかし、クレンジングや洗顔の際に肌を引っ張ったり、力を入れすぎると肌に負担になってしまい必要な水分や油分が奪われることがあります。
クレンジング・洗顔は力を入れすぎず、優しく丁寧に行うのがポイントです。
化粧水はたっぷり使う
セラミドが配合してある化粧水でも肌に対して使う量が少量であると、肌のすみずみまでセラミドが届かず、セラミドの効果を実感しにくくなります。
自分の肌の状態を見ながら、やや多めの量の化粧水を使うことが大切です。
まとめ
セラミド配合の化粧水や乳液は保湿力が高いというのは正解です。
セラミドにもいろいろな種類があるので、選ぶのにも迷ってしまいそうですが、以上に紹介したポイントをみて選んでくださいね。