20代はお肌のターニングポイントです。
肌細胞や保湿能力は20歳をピークに衰えていくからです。
この時のお手入れを怠ったり、間違いがあると一生後悔します。
将来差がつくスキンケアをしっかり理解し、実践していきましょう。
20代の肌の特徴
20代は「お肌の曲がり角」と言われるように、若さと年齢サインが同居する難しい年齢です。
細胞レベルで考えれば、肌細胞は20歳をピークに衰えていきますので、完全なるエイジング世代となります。
しかし見た目にはまだハリもツヤもあるために、どうしても油断しがちな時期かと思います。
つまり、20代の肌の特徴は「ミックス」なのです。
- 水分と油分のバランスが崩れる
- 乾燥と潤いが同居して混合肌になりやすい
- ハリとシワが同居して年齢を意識し始める
まだまだ肌に若さを感じていても、睡眠不足・体調不良・食生活に肌が左右され始めるのもこの時期。
これらは多少知識が無いと間違った方向へ行ってしまうので、20歳を期にスキンケアも大人の意識で取り組むことがおすすめです。
乾燥対策
では、先ず肌の大敵、乾燥についてお話ししましょう。
乾燥対策=保湿です。
肌に必要な三大保湿因子
はじめに、保湿について知っておきましょう。
角層には肌が潤った状態でいられるために絶対に必要な保湿因子があります。
それが次の3つです。
この三大保湿因子が満タンの状態なのが「赤ちゃんの肌」です。
- NMF:肌の水分。主要構成成分はアミノ酸。
- 細胞間脂質:肌の中の水分を抱え込んで留めておく役割。主要構成成分はセラミド。
- 皮脂膜:肌の表面にヴェールを形成し潤いに蓋をする役割。自分自身の皮脂と汗で構成
スキンケアの必須3項目
次は、保湿の前にスキンケアとは何かを簡単に抑えておきましょう。
「スキンケア=保湿」と思っていたら大間違いです。
スキンケアは保湿だけのことを言うのではありません。
スキンケアは言わばメイク以外の全てを指すものなので、とても広い守備範囲があります。
- 落とす:クレンジング、洗顔で肌に余分な物や汚れを落とす。
- 与える:水分や油分を肌に与える。
- 守る:紫外線や外的刺激から肌を守る。
保湿に必要3項目
最後に保湿です。ひとつ前の項目で「スキンケアの必須3項目」をご紹介しましたが、この「与える」にあたる部分が保湿です。
ひとくちに保湿と言っても、これだけの必要項目があります。
- 潤す:水分、油分を肌に与えて潤す。
- 留める:肌に与えた水分・油分を肌内部に留めて長時間潤いを保つ。
- 蓋をする:肌表面にヴェールを張り、肌内部の潤いを守ったり、肌自体を守る。
予防ケアが大切 ―なってからでは遅い!―
20代はいくら保湿やスキンケアが重要だと聞かされても、まだまだ実感が伴わないのも事実です。
これが、手遅れを招く大きな要因です。
とある大手化粧品メーカーの調査をご紹介します。
【あなたは「肌の衰え」を感じることがありますか?】
20代:よくある43%/たまにある57%/ない0%
30代:よくある63%/たまにある37%/ない0%
40代:よくある75%/たまにある25%/ない0%[/aside]
こう見てみると、確実に20代も「肌の衰え」を感じているのです。
しかし、20代は常に肌の衰えを感じている方よりも、たまに感じる方が多いのが特徴です。
この「たまに」が落とし穴です。
これを「まだ大丈夫」のサインではなく、「肌に満足できる日がたまにしかない」と深刻に受け取ることが大切です。
最近は、医療・健康・美容の多方面で「予防ケア」が謳われています。
人間の細胞は“治す”より、“防ぐ”方が断然に確実性が上がるのです。
肌細胞も同じです。
将来の肌は、確実に自分自身の「今」の積み重ねです。
難しいことをする必要はありません。
ただ、毎日毎日、年齢や環境にあったケアをコツコツ続けていけば良いだけです。
スキンケア手順 ―落とすところからスキンケア―
いよいよ、20代の正しいスキンケアの手順を見て行きましょう。
クレンジング
メイクを落とすこと、これは非常に大事です。
しっかり行いましょう。
最近では小学生からメイクを始める方もいます。
しかし、クレンジングが正しく出来る小学生は案外少なく、このまま大人になってしまうと、大人になってからメイクとクレンジングを覚えた方よりもクレンジングが雑な方が多いのです。
目元、口元など敏感な部分は専用のクレンジングを使いましょう。
こするのではなく、メイクを浮かせるイメージでやさしくなじませます。
下瞼や小鼻の際など、クレンジング剤がなじみにくいところは綿棒などを使ってしっかりOFFしましょう。
洗顔
メイクとは別に肌そのものの汚れを落とすには洗顔が必要です。
最近では、クレンジングと洗顔の機能が一緒になったものもありますが、それ以外はダブル洗顔が絶対です。
洗顔は古い角質や肌に浮き上がった老廃物などを綺麗に落とす役割があるので、クレンジングと別物と考えてください。
紫外線ケア
これも侮ってはいけません。
紫外線が肌に与えるダメージは膨大です。
肌老化の80%は紫外線です。
紫外線ダメージは肌のバリア機能を奪い乾燥を誘引するだけではなく、コラーゲン繊維やそれを作る細胞まで壊してしまいます。
通年で紫外線ケアをしましょう。
保湿
・化粧水
先ずは化粧水で水分を補いましょう。
水分で肌が満たされると、油分は自然にバランスをとってくれます。
20代では、まだ、ギリギリ、この水分と油分のバランスが自然に保てる方もいるはずです。
・美容液
この水分と油分のバランスが摂りにくくなるのもこの時期です。
20代を境に水分値がぐっと下がるからです。
これにより油分が多く分泌されすぎてバランスを崩し、混合肌の症状が出る方も多くなります。
部分的なべたつきやメイク崩れは、水分不足によるものです。
この時は、美容液で、セラミドなど水分キープをしてくれる成分を補いましょう。
肌内部で水分がキープされれば、過剰な皮脂分泌もおさまります。
また、美容液は肌に必要な栄養分を多く含んでいます。
20代は目元、口元などパーツごとに年齢サインが出てきます。
これらが深刻化する前に、手を打つことも大切です。
・乳液・クリーム
肌に与えた水分、栄養分を肌から逃げていかないようにヴェールで覆う役割をするのが乳液やクリームです。
ただし、20代では濃厚なクリームではべたつきを感じてしまうかもしれません。
人は夜寝ているうちに、肌の排出機能を発揮します。
体内の老廃物を肌表面から排出するのです。
この時肌に濃厚なクリームが乗っていると、老廃物が排出できなくなったり、クリームの油分や保湿性が雑菌の温床になり、にきびや吹き出物が出来てしまう可能性もあります。
乳液、クリームは、ごく薄くヴェールを作ってあげるイメージでなじませると良いでしょう。
まとめ
20代は、若さと年齢サインが同居する時期です。
保湿の面で言えば、水分値がぐっと下がることで、水分と油分のバランスが崩れる時期です。
しかし、この時に大事なのは手の込んだ特別なスキンケアを取り入れることではありません。
大事なのは、【水分重視の保湿】です。
この水分を「与える」だけで良いのか?
「留める」工夫や「蓋」をすることが必要なのか?
この点だけは、自分の肌と相談しなければいけません。
まずは、自分の肌に関心を持つこと、よく観察することから始めてみてください。
毎日の積み重ねは5年後、10年後にきっと差がつきます。