肌が赤くなって炎症を起こして・・・ニキビとアトピー性皮膚炎は、見た目や症状が似ています。
この2つの違いはなんなのでしょうか。
また、それぞれの治し方はどのように違うのでしょう。
さらに、アトピー性皮膚炎をもとから持っている人に、ニキビを併発してしまった場合、どのようにケアしたらいいのかについても、詳しくご紹介していきます。
アトピー性皮膚炎とニキビの違いとは?
アトピー性皮膚炎も、ニキビも皮膚の常在菌が原因ですが、その常在菌の種類が異なりますし、かゆみや発症する部位など、違いははっきりとしています。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎はアレルギーなどの刺激によって肌が反応し、皮膚の黄色ブドウ球菌が大量発生してしまうことから肌が炎症を起こす遺伝性の皮膚疾患です。
かゆみと湿疹が出て、掻いてしまうと出血することもあります。
また、皮膚の状態としては、赤み・腫れ・極端に乾燥などの状態になります。
ニキビについて
ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、皮膚の常在菌であるアクネ菌が繁殖することで炎症を起こした状態で、誰にでも起こる可能性のある皮膚疾患です。
炎症が悪化すると痛みを感じることもあります。
初期ニキビは、「白ニキビ」や「コメド」と呼ばれます。
これが進行すると、白ニキビの皮脂が酸化して表面が黒くなった「黒ニキビ」になります。
かなり目立つので気になりますが、痛みはなく、しっかりとしたケアで治すことが可能です。
さらに毛穴が炎症してしまうと赤くなって「赤ニキビ」になり、炎症が悪化して膿になった、化膿した状態を「黄ニキビ」と呼ばれます。
黄ニキビまで炎症が進むと痛みが出て、肌の損傷は真皮層に及んでいる可能性もあり、痕が残る可能性が高いので、皮膚科での治療をオススメします。
これがもっと悪化すると毛穴に膿だけではなく血もたまってしまい、赤紫色に見える「紫ニキビ」になります。
ここまでくると重症度が高くなるため、セルフケアより皮膚科での治療が必須です。
アトピーとニキビ、それぞれの治し方は?
アトピー性皮膚炎は、ステロイドで炎症を抑えアレルギーの元となる原因物質に触れないようにして、肌を保湿してバリア機能を向上させることで改善します。
また、ニキビは皮脂の過剰分泌を抑えて優しく洗顔をする、外部刺激を防ぐことで改善するでしょう。
アトピー性皮膚炎もニキビも共通してできるケアとしてあげられるのは、生活習慣の改善・保湿ケア・皮膚を清潔に保つことです。
アトピーの人にニキビができた場合の対処法は?
アトピー性皮膚炎をもった子供が、思春期に入るとニキビができるようになります。
また、大人の場合でもアトピー性皮膚炎は皮膚の乾燥を引き起こすため、角質が固くなり、毛穴が詰まってニキビができる原因となってしまい、アトピー性皮膚炎はニキビを併発しやすいのです。
併発した場合、アトピーのかゆみでニキビを引っ掻いてしまうと痕になってしまう可能性もあります。
アトピー性皮膚炎をもちながら、ニキビができてしまった場合、どう対処したらいいのでしょうか。
アトピー性皮膚炎の人のニキビケア方法
通常のニキビ肌を保湿するには、油分の多すぎるクリームはアクネ菌を活性化させてしまうため使わない方がよいとされています。
しかし、アトピー性皮膚炎の保湿ケアはワセリンなどの油分をしっかりと与えなくてはいけませんし、アトピー性皮膚炎の薬であるステロイドにも、ワセリンが多く含まれています。
この場合、まずはアトピー性皮膚炎の改善を優先させます。
かゆみがある時は、ニキビ部分を避けてステロイドを使用し、かゆみが治まったらステロイドを中断します。
どちらにも使える保湿成分としてあげられるのは、セラミドや天然保湿成分でしょう。
これらが含まれた低刺激の保湿剤で肌を保湿することで、肌のバリア機能を回復させて、状態を改善させることができます。
また、ニキビができているからと言って、何度も洗顔してしまわないようにしましょう。
やさしく汚れを落とし、皮脂を落としすぎないように注意してください。
ステロイド薬について
アトピー性皮膚炎に効果のあるステロイド薬には、肌の免疫力を下げ細菌感染を受け入れながら皮膚を補修していくという働きがあります。
このため、ステロイドを使うことによって、ニキビの原因菌であるアクネ菌への抵抗力が弱まってしまい、ニキビの悪化につながることもあります。
しかし、アトピー性皮膚炎のひどい症状には効果が高いため、皮膚の状態を見ながら、また、皮膚科の先生とも相談しながら適切に使用してください。
まとめ
アトピーとニキビの違いと、それぞれの治し方についてご紹介しました。
アトピーとニキビは原因となる菌や理由は全く異なりますが、アトピーの乾燥によってニキビができやすくなるという深い関係性がわかりました。
正しい保湿ケアを徹底することで、アトピーもニキビも改善が期待できます。
ステロイド薬とも上手に付き合いながら、キレイな肌を目指しましょう。